0.あなたがメスガキで勃起したとき、あなたはメスガキで勃起しているのか?
皆さん、メスガキで勃起してますか?
突然うるさくて申し訳ありません。苦無レイと申します。
多くの人は毎日、少なくとも年一回くらいはメスガキで勃起していることかと思います。
だがここで問いたい。
”あなたがメスガキで勃起したとき、あなたはメスガキで勃起しているのか?”
- 0.あなたがメスガキで勃起したとき、あなたはメスガキで勃起しているのか?
- 1.ガヴァガイ問題とは
- 2.性癖ガヴァガイ問題とは
- 3.性癖ガヴァガイ問題の解決法
- 4.現実的な議論:性癖への理解
- 5.要素分解の方法と性癖の階層
- 6.後書き
1.ガヴァガイ問題とは
メスガキのことは一瞬忘れていただいて、まずはタイトルにあるガヴァガイ問題とは何かの話をしていきましょう。
ガヴァガイ問題とは言語学における”指示不可測性”の具体例です。
…急にお勉強が始まりましたが、数行で終わるので安心してください。
上の画像のように「ガヴァガイ」がどういう意味なのか。
ウサギのこと? 色のこと? 生き物全般の事?
もしかしたら固有名詞で、そういう名前のペットかもしれない。
その単語が何を意味しているか特定することが難しい、というのが指示不可測性です。
まぁ難しい話は置いておきまして、今回の主題「性癖ガヴァガイ問題」の話に入っていきましょう。
2.性癖ガヴァガイ問題とは
さて、あるめちゃくちゃ純粋で一度も勃起したことのない人… Aさんとしましょうか。
Aさんがメスガキの絵を見て初めての人生初の勃起をしたそうなんです。
そうするとAさんは
「俺はメスガキが好きなんだ。だからメスガキの画像で勃起したんだ」
と思いました。
…なんとなく話の筋が見えてきたでしょうか。
ここで問題提起したいのは「本当にAさんは”メスガキ”に興奮しているのか?」ということ。
Aさんが興奮する要素は本当に”メスガキ”というジャンルなのか?
ロリコンだから勃っただけでは?
バカにするような目つきで興奮した、マゾなのでは?
初恋の人に似ていたからなのかもしれないし、影フェチ(?)の可能性も捨てきることはできない。
そう。どこにも自分がメスガキ好きだという証拠がないのです。
(マゾではあるがロリコンではない人がメスガキを好きだと言うのは、”動物”という意味の単語を”ウサギ”と認識してしまうように誤りです。あくまでメスガキに内包されるマゾ的な部分に興奮してるだけであり、正しくは「マゾなのでメスガキも大人の女性にいじめられるのも好き」となります。)
まとめると…
「人が興奮する要素というのは特定できないのでは?」
この疑問を性癖ガヴァガイ問題として提唱したいと思います。
さて、最初の問いの意味をこの話を踏まえた上で読み替えてみましょう。
”あなたが勃起させられたのは、本当にその画像がメスガキだからなのか?”
皆さんはこれに対する明確な答えを持っていますでしょうか?
次の章からは性癖ガヴァガイ問題の解法についての説明、そして最終的には私の理念「性癖への理解」についてもお伝えしたいと思います。
3.性癖ガヴァガイ問題の解決法
性癖ガヴァガイ問題(以降、癖ガバ問題)のある程度の内容は分かっていただけたと思うのですが、
「自分の性癖が分からないなんて思ったことない」
という人が大半でしょう。
というのも我々は無意識のうちにこの問題を解決しているのです。
あなたが何かHなものを見つけたとき、おそらく
- 同じ作者の作品や同じ人がでているAVを探す
- その作品の構成要素(≒タグやタイトルに含まれる語など)で検索する
- おススメ欄などから新たな作品を閲覧する
- リアルで類似の手順を踏み、追体験する
などの行為を行っているでしょうし、その過程で自分が興奮する要素をある程度突き詰めているのです。
例えば「メスガキ」で調べた多くの作品で興奮するが、「ロリ」で調べた作品ではあまり興奮しない…。となると、罵倒のセリフがキーなのでは?と推測できるでしょう。
そして大人の女性に罵られる作品でも興奮出来たら仮定が立証され、自分がMだと実感する。
あるいは他の「メスガキ」作品では興奮しないが、同じ作者の作品では興奮できるとなれば、自分が作者のファンだと気づくことになる。
つまり「多くの性癖と触れる中で自己理解を深める」というのが癖ガバ問題の一番の解決策であると言えます。
性的なコンテンツの閲覧や実体験の中で、これは自分の性癖に合う/これは違う、と取捨選択を無意識的に行っているので我々はこれまで自分の性癖が分からないという事態には陥っていないわけです。
ただ、これだけでは性癖ガヴァガイ問題は解決しきれない。
もちろん解決には向かっているんです。
癖ガバ問題は
「自分が興奮する要素・性癖は特定できないのでは?」
というもので、多くの性癖に触れて価値観をアップデートすることで実際の性癖と想定する自分の性癖が合っていけば自然に解決していく。それは事実です。
ただ、少し足らない。
もっと意識的・効率的な問題解決への取り組みが必要だと考えます。
ここで、癖ガバ問題のより具体的な解決策、そしてその手順を踏んだとしても解決が困難であるということを説明する具体例として「男の娘」を上げたいと思います。
男の娘が好きなの?可愛い子が好きなの?
皆さん、男の娘はお好きでしょうか?
体の性別は男でも、ある部分に女性的な一面も感じさせるような人を性的に見る性癖で、大衆にも親しまれつつ根強いファンも居る。そんな性癖だと思います。
さて、ここで男の娘性癖の発生の起源について考えてみましょう。
多くの場合、および筆者の例としましては、
「元々女性キャラ・かわいいキャラが好きだったが、ある時男の娘キャラに出会い、目覚めた」
というものです。
これは要するに男の娘キャラの可愛さに対して魅力を感じているということです。
…ここ、癖ガバ味を感じませんか?
本当に”男の娘”というジャンルに興奮しているのか?という疑問が発生するのです。
「かわいい子にちんちんついてるからお得」
なんて言葉もありますが、男の娘が好きなのか可愛い子が好きなのか、疑わしくなっていきます。
これはまさしく”自分の性的嗜好を経験からとらえるのは難しい”という癖ガバ問題であると考えられるでしょう。
そして今自分が本当に男の娘が好きなのか分からなくなった人は、普段から何も考えずにオナニーしているということです。意識的に自分が興奮する要素を見つける努力をしないといつまでも空虚な自慰行為を繰り返すことになってしまいます。
とはいえ、男の娘マニアの方々なら”男の娘でなければいけない理由”も語れるでしょう。
「本人の性自認が男なのがいいんだ」「可愛らしさの中に垣間見える男性的な部分が美しい」
こんな感じでしょうか。
そしてここに癖ガバ問題の具体的な解決策が見えてきます。
キーとなるのは「要素分解」
性癖の要素分解
性癖はより小さな性癖に分けられる、というのは受け入れやすい考えではないでしょうか。
例えばメスガキはロリとM向け要素の複合体と考えられるでしょう。
また、「年齢も立場も力も下のガキにバカにされる」というMにとっては嬉しいシナジーも発生しています。
そしてこれを知ることが癖ガバ問題の解決に向かうことも納得していただけるでしょう。
「自分はロリコンでマゾだからメスガキが好きだ。ロリコンなのは無知シチュが好きなのが歪んでいったからで、無知シチュが好きなのは……」
「私にとっては『めっちゃ可愛いけど同性だから同じ更衣室に入れるし、本人は恥ずかしがりもしない』ってのが大事なんだ。だから女の子やふたなりではなく、男の娘じゃなきゃいけないんだ」
自分がどこに魅力を感じているのか。
まずはジャンルをさらに区分化していく。そして最終的には、”男の娘”や”メスガキ”というジャンル名に縛られず、より直接的な表現で説明できるようにする。
これこそが癖ガバ問題の解決の糸口と言えるのです。
しかし!
これではまだまだ終わらない。
ここまで頑張っても性癖ガヴァガイ問題は完全には解決しない、あくまでも解決の糸口であるだけなのです。
ということで癖ガバ問題の解消がまだまだ難しい理由を3つにまとめました。
①要素分解がそもそも難しい
「ロリが好き」というのも分解できそうな気がするが、実際どうなのか?
性癖の最小単位というのが定義されていないので、どこまで/どのように分ければいいか分からない。
②要素分解がうまく行かずに勘違いが起こる
可愛さに対して魅力を感じているのを「男の娘好き」として認識してしまう。正しく要素の分離が行えないとこうなる。
③性癖は広がる
女性にしか興奮しなかった人がある日を境に男の娘を性的に見れるようになることがある。さらに時間がたてばより男性的要素が強いものにも興奮できるようになる可能性もある。変化し続ける輪郭を掴むのは非常に難しい。
また、そもそもの話ですが、癖ガバ問題は解決が不可能なものであるともいえます。
癖ガバ問題の定義は
「人が性的感情を覚える要因を過去の経験から完全に把握することは難しい」
というものであり、どんなに完璧な方法を使ったとしても、自分がその性癖である可能性が99.99…%と限りなく近づくだけである、こういった理由から完全な解決はもとより無理なものなのです。
4.現実的な議論:性癖への理解
本当に話したかった部分はこちら。性癖への理解についての話です。
癖ガバ問題はいわばその取っ掛かり程度のもの・思考実験でした。
とは言え全く無関係な話をしていたわけではありません。
癖ガバ問題は言い換えるならば「自分の琴線に触れるものを特定する」というものであり、私が理想とする性癖への理解というものとかなり近いものとなっています。
そしてここでは性癖への理解を次のように定義します。
「まず一般に人間が性的興奮を覚える要因を特定し、その後漠然とした性的心象風景を描画的に言語に落とし込む」
頭がよく思われたいので難しい言葉を使ってみましたが、このままだと意味が分からないので詳しく見ていきましょう。
私は性癖への理解を2段階に分けました。
- 要因の特定
- 言語化
そしてこの2つのプロセスは性癖ガヴァガイ問題の話で触れた要素分解により実行していきたいます。
次はこの2つの詳しい説明を。
まず要因の特定。こちらは直感的に理解しやすいものだと思います。要素分解の話と繋がりますが、好きという感情をどんどん分けて小さくしていけば、何故それが好きなのか、根源的な部分に迫れる。この理論が要因の特定です。詳しい方法論については後述していきます。
そして言語化。こちらは特定した要因を言葉にすることですが…若干気を付けていきたい部分があります。
それが”メスガキ”のようにジャンルという形でまとめないこと。
癖ガバ問題で触れたことですが、性癖には同居しやすい要素が存在します(男の娘と可愛さを例に挙げた)。仮に興奮のトリガーを完全に発見することができたとしても、また”男の娘”とか”メスガキ”という大雑把な括り付けをしてしまっては意味がない。
ではどのような括り方をすればいいかですが、
"感情・状況をただ書き起こす"
これでいいと考えます。
例としては「女の子が操られて訳も分からず痴態をさらしちゃってるのは、かわいい」
これでいいんです。(もう少しは表現に気を使ったほうがいいですが…)
一口に”催眠”というジャンルで言ったら人によって考えるものはまちまちになってしまうでしょう。ですが、上の例のような絞り方をすれば、これを聞いた人が抱くイメージ・思い起こす過去は等しいものとなるでしょう。
もう少し嚙み砕いてこの理屈を説明しましょう。ちょっと哲学的な話になってしまいますが…
例えば我々がある花を見たとき、それをピンク色だとか花びらが待っているだとか”物体として認識”し、その上で綺麗だとか美しいとかの”感情”を抱きます。そして認識した物体の中で似ているものを総称して「このピンク色の花を桜と言おう」と命名します。
ここで考えたいのは、「桜が好き」という発言の是非についてです。
桜という名はあくまで物体(の認識)に対してされたものですが、恐らくこの発言をした人は桜に関連する美しいなどの感情をベースに桜が好きといったのでしょう。
つまり、我々は桜という名詞を使って、間接的にそのピンクの花に対して感じる思いにアクセスしているのです。
ですがそうなると若干の齟齬が生まれます。人によって桜に対して抱く感情は違うからです。スタバの桜味フラペチーノを飲んでいる人の「桜が好き」は先ほどの発言とは異なるものでしょう。
あくまで名詞は物体を捉えて述べるものであり、そこに対して抱く感情・想起されるものは過去の経験により人それぞれなのです。
性癖の話に戻ると、ある人は
「メスガキか。大人の怖さ分からせて~ 泣き言いっても許さないからな」
と言い、ある人は
「メスガキ?俺は大人だから負けないが?ロリコンマゾじゃないから煽られても興奮しないし、ガキのパンツに興味とかないが?(負けちゃう…)」
と言う。このように指している物体は同じでも感情に齟齬が生まれてしまいます。
そのため「自分より年下のガキに見下されることで己のマゾヒズムが刺激される」
という風に状況(物質)と感情をただ叙述することで、認識の齟齬は発生しなくなるのです。
ただ、これは要素分解の果ての果て。
普段はジャンル名で呼称したほうが便利ですし、抽象的すぎるのもそれはそれで問題です。性癖を整理していくためには階層分けが必須となります。
ジャンル名が上位語、抱く感情が下位語という関係です。
また、先ほどあげた癖ガバ問題の解消の難点を見ながら「性癖への理解」が現実的に解決可能であることを軽く説明しておきます。
①要素分解がそもそも難しい
②要素分解がうまく行かずに勘違いが起こる
③性癖は広がる
③の部分は議論の対象を「癖ガバ問題」から「性癖への理解」に変えることで簡単に解決できます。
性癖への理解はある作品やプレイに対して多くの人間がどう思うかという話であり、そこに個人の感性のブレは反映されません。あくまでその性癖についての議論なので、非常に定性的に語ることができるんですね。
そして①と②は要素分解の方法が定まっていないために起こってしまうものなので、分解のルールを厳格に定めてしまえば解決するものです。
ということでいよいよ最終章、要素分解の方法と性癖の階層についての話に行きましょう。
その前に!性癖を知る意義とは
「そもそも性癖への理解を深める必要があるのか?」
これを話さないことにはこれまでの、そしてこの後の議論が無意味になってしまうのでここらで説明しておきたいと思います。
性癖理解の意義① 自己理解
性癖を知る、ということは即ち人間(そして自分)が好きな対象や好きである理由を言語化するということです。
「好きなものは好きだでいいんじゃない?言語化とか理由とか必要?」
という意見もあると思いますが、そこは別に否定しません。
ただ、こと性癖についてはやはり細かに言語化すべきであると考えます。
何故なら性癖を知るという行為を通じて最終的に求められること・現実的に利益をもたらすものは「自分の好みのモノを新たに見つけ出す」ことであるからです。
どんなに好きなエロ漫画があったとしても、それはせいぜい数十ページのコンテンツであり、今後それだけを永遠に使い続けるようなことは難しいです。
なので性癖への理解を深めることで新しく好みのものを探すこと不可欠なのです。
また、「性癖の理解は究極の自己理解である」とも考えます。
選定基準は分からないのですが、性欲というのは三大欲求の一つらしいです。
欲を満たすのが人にとっての幸福であるというのなら、それをより高度な形で得たいというのもまた当然の欲求でしょう。
そしてそのためには自分が何を欲しているのかを理解しなければならない。
自分の欲求を知り、見つめなおす。大事なことではないでしょうか。
他にも
・好き嫌いが時間や人の意見に流されにくくなる
・理由が裏付けされることで作品をより好きになれる
というのも理由となるでしょう。
性癖理解の意義② 他社の性癖への理解
性癖理解により他人の性癖を理解し、寛容的になれるというのもこの問題を解決するモチベーションに繋がるのではないでしょうか。
「NTRを許すな」「百合の間に挟まるのは犯罪」
とか。最近は半ばネタだと分かっていながらやっている節もありますが…
もし本気でこれを言っている人が居るならばそれはあまりよろしくない。
そういった衝突を避けるためにも作品・性癖のいい点を知るというのは重要だと思います。
まぁ本当に問題にすべきはSNSの使い方とか、住み分けちゃんとしようねということなのかもしれないですが、そうだとしても
「この作品は○○という要素を持っていてあなたはそれが好きなんだね。でも私は××じゃないとダメなんだ。」
と全員が言い合えたなら、平和な世界が訪れるのではないでしょうか。
性癖理解の意義③ 創作の助けとなる
ここはオマケ程度のものですが、性癖を体系的に理解することで創作のアイデアとなるかもしれません。
創作アドバイスみたいなのを見ると「要素の組み合わせで作品が生まれる!」というものがよくありますが、性的なコンテンツにも同様の理論が適用できるかもしれないです。
要するに、「性癖は感情で構成されている」ことを知ることで、「感情を組み合わせて新たな性癖を生み出す」ことができるかもしれないのです。
まぁ副次的な効果なので関係ない人が多いと思いますが、妄想癖が酷い人(筆者のコト)にとっては嬉しい話だと思います。
また、思想の強い話となりますが、人間の能力として「自分の得たものを理論に落とし込み使いこなす」というものがあると思います。性的な知識を知り、その後体得する。そしてその延長線上に自分の性癖にフィットするプレイの発見だとか、新たな性癖の創造が存在し、それこそが人間らしい行動というものです。
逆に言えば、性癖を理解しようとせず、自分の欲を満たすものに無頓着で何も考えない人は人間ではないと言えます。
(言えませんね。危険思想なので控えましょう。)
さて、ここまで3つの理由を上げてきました。納得できる部分もできない部分もあったかと思いますが、自分の好きな理由で納得していただいて、最終章「要素分解の方法と性癖の階層」に向かいましょう。
5.要素分解の方法と性癖の階層
かなり話が長くなってしまったので、今までの話をまとめつつ、今後の話の大枠から話していきます。
・癖ガバ問題「自分が興奮する要素は特定できない」
→要素分解の方法論が定まっていないと実行不可/性癖は変化するので捉えにくい
→そもそも解決することができない、思考実験のようなもの
・性癖への理解
→自分の性癖についての話ではなく、性癖そのものを分類する
→性癖への理解にはオカズ探しの最適化を代表とする重大な意義がある
・性癖理解の方法 要素分解
→性癖は物体と物体に抱く感情の集合体
→目標は物体と感情を切り離し、感情だけで性癖を語ること
性癖の階層論 ~心理的/物質的単位性癖・複合的性癖~
性癖の体系論、と評して上の図のように性癖を階層分けしました。
感情と物質を組み合わせることで単位性癖が生まれ、単位性癖を組み合わせることで複合的性癖が生まれるものと考えます。
単位性癖と複合的性癖が普段我々が耳にするジャンル名を表しており、それを区分化することで本質が見えてくるわけです。
また、単位性癖を2つに分類し以下のようにまとめました。
- 物質的単位性癖
物質を必ず構成要素に含むもの。物質と、その物質に抱く感情をまとめて一つのジャンル名として呼称します。
- 心理的単位性癖
感情のみを構成要素とし、物質を含まないもの。私の考えには一部反しますが、便宜上そう呼ぶことにします。
そして単位性癖を組み合わせることで複合的性癖が生まれ、さらに複雑に要素が絡み合うと「作品」や「プレイ」として重厚感のあるものにまとまります。
さて、「心理的単位性癖は便宜上のものである」と言いましたがこれはなぜでしょうか。
具体例を見ながら説明しましょう。本来、メスガキは下の図のように、物質的単位制癖に感情が追加されて構成されるものです。社会では大人がメスガキに負けることは許されておらず、そうして生まれた”普段の肩書きを捨てて本当の自分を見てほしい”だとか”誰かに甘えたい、叱ってもらいたい”という鬱憤にロリという物質が重なることで欲望を晴らすのがメスガキだと考えます。
ただ、この図のうちの右部分。色々な性癖を分析していくと似たようなパターンが存在することに気づきます。このような似た感情パターンをまとめて心理的単位性癖と呼ぶこととします。
(補足ですが、心理的単位性癖はあくまで感情の集合体なので現実に作品・プレイとして存在するためには物質あるいは物質的性癖と混ざり合う必要があります。逆に、頭の中で妄想するだけであればそこに物質は必ずしも必要ではありません。
これは「ムチで打たれることを想像する際にムチの存在は必要ない」ということではなく、「自分が社会的に劣っている」という概念的な思考だとか「自分には彼女が居ないので性行為ができない」という物質の欠如にさえもマゾヒズムが発生するというお話です。)
また、メスガキの例を見ると分かるのですが、ロリコンとマゾの間に共通項となる感情、怒りが存在します。共通している部分が重なることで存在感を増す、これが性癖のシナジーです。
単位性癖の中の感情にも多少の誤差があり、そうしたブレやシナジーによって作品やプレイにオリジナリティが生まれるのです。
そして肝心要の性癖の分類法について。
とはいえやることと言えば複合的性癖を単位性癖に分け、それをさらに物質と感情に分け、シナジーが起こっている部分や特に強調されている要素を見つける。これだけです。
「そんなことくらいこんな長文読まなくともだいたい分かっとるわい!もっと有益なこと書け!」
と言われてしまいそうですが…
それを意識的に行う・構造を頭に浮かべながら定性的な分類をすることを推奨するのが本記事の役割だと思っているのでご容赦ください。
理論の応用:性癖の構築/生成
最後に理論の応用ということで、私の考える理想の世界を語って終わろうと思います。
性癖おすすめAI
性癖を体系化するということは性癖を数値化することと言い換えられると考えます。
性癖を分類する際、物質の欄にア、イ、ウ…と人やモノを代入し、感情Aを10%、感情Bを40%…というように数値を決めていけば性癖をパラメーターで表示できます。
そうすれば「数学的に似ている性癖」を決めることができたり、「自分の嗜好を数値化する」こともできるでしょう。後者は癖ガバ問題の解決ということもできるかもしれませんね。
性癖生成AI
AIに何か期待しすぎかもしれませんが、性癖を論理的にとらえることができれば「感情Aをたくさん含み、物質に△△を含む性癖」みたいなものを機械的に生成できるのではないか、と思います。人間にも勿論同じことは可能です。
ただ、気になることが一点。このように理論的に作った性癖は、極度に抽象化された物語の骨組みなので、そこから大きな作品を作るのは大きな手間なのでは、ということです。そのためこの理論によって生成された性癖はTwitterで140字の性癖語りをする際や、何かのためのアイデアへの利用に適していると考えます。
適当にボタンを押したら物質と感情が勝手に代入されて性癖がポンポン出てくるサイトとかあったら楽しいと思います。
6.後書き
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。見切り発車で書き始めた文なので長文なわりに内容と結論が薄くなってしまったことはお許しください。
また、前回は話題沸騰中の性癖「首チンコ」についての考察を行いました。
まだこの記事の構想すらないときに書いたものなので分類法が今回のものと違いますが、興味があればぜひお読みください。
https://x.com/kunai_rei/status/1779168701448917341
あといいねしてくれると凄い喜びます。お願いします。
以上、苦無レイでした。